研究課題/領域番号 |
17K14524
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
グリーン・環境化学
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
浜坂 剛 分子科学研究所, 生命・錯体分子科学研究領域, 助教 (50570230)
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研究協力者 |
魚住 泰広
市位 駿
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | パラジウム / ピンサー型錯体 / 溝呂木ーヘック反応 / 檜山反応 / ppm / ピンサー錯体 / 痕跡量触媒 / クロスカップリング反応 |
研究成果の概要 |
触媒的炭素-炭素結合形成反応をppm以下の触媒量で実現するシステムの構築を目的に研究を実施した。その結果、反応基質に対してppm量以下のパラジウムNNC-ピンサー型錯体が、ハロゲン化アリールと活性化アルケンとのカップリング反応である溝呂木ーヘック反応や、臭化アリールと有機ケイ素化合物とのカップリング反応である檜山反応を効果的に触媒し、標的化合物を高収率で与えることを見出した。いずれの反応に対しても高い官能基許容性を示し、一般に反応性に乏しいヘテロ芳香環を基質とした場合も反応は効果的に進行した。本触媒システムにおいて、触媒回転数は最大で8億7千万回、触媒回転頻度は1秒間に3360回に達した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、我々の豊かな生活を実現する上で有機合成化学は重要な役割を果たしてきた。特に、触媒的有機分子変換は、一般に困難な分子変換工程を実現するなど、医薬品や機能性材料の合成において欠くことのできない手法である。このような触媒的有機分子変換では、パラジウムに代表される希少遷移金属が触媒として用いられている。しかしながら、遷移金属の地殻埋蔵量が少ないための将来的な枯渇と、遷移金属の生成物中への混入が問題とされてきた。本研究で得られた、ppmオーダー以下で機能する触媒システムは、これらの問題を解決するための一つの方法を提供するものであり、社会的にも学術的にも高い意義があると考えられる。
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