研究課題/領域番号 |
17K14599
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
熱工学
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
岡部 孝裕 弘前大学, 理工学研究科, 助教 (70772713)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 生体伝熱 / 熱物性計測 / 皮膚がん / 腫瘍深達度 / 逆問題解析 / 有効熱伝導率 / メラノーマ / 臨床実験 / 熱工学 / 計測工学 / 悪性黒色腫 / 医療診断 |
研究成果の概要 |
本研究では,非侵襲熱物性計測による皮膚科医の熟練を要さない皮膚がんの定量的早期診断及び腫瘍深達度推定手法の確立を目的とした.まず,多層皮膚構造を有する解析モデルを作成し,腫瘍深達度推定を可能とする逆問題解析手法を構築した.また,表皮厚さや腫瘍の熱物性・血流,腫瘍深達度,熱浸透深さ等に着目し,様々な条件下における皮膚伝熱特性及び熱物性計測への影響に関して実験的かつ数値解析的検証を実施した.さらに,進行度の異なる皮膚がん患者に対して臨床実験を実施した.病変部が健常部と異なる熱物性を示し,進行度によって傾向が変化することが明らかとなった.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で実施した進行度の異なる皮膚がん患者に対する熱伝導率計測は,過去に例がなく極めて貴重なデータである.特に,表皮内がんと浸潤がんは異なる伝熱特性を示すことが実験的に明らかとなり,医学や医工学分野に大きな貢献ができた.また,諸種条件下における皮膚伝熱特性が明らかとなったことにより,提案する手法の診断精度向上が可能となった. 実際の臨床現場では,目視にて予想した進行度によって,侵襲的な病理検査の是非を決定している.本研究で提案する熱物性計測による皮膚がんの定量的病期診断が実用化されれば,不要な外科的切除の回避に繋がり,進行段階に合わせた適切な治療方法の選択が可能となると考える.
|