研究課題
若手研究(B)
重元素ドープは、熱を直接電気に変換できる熱電材料の性能向上に広く用いられている。特に、ドーピングは熱電材料の性能指数に比例する熱抵抗を効果的に向上させる。本研究では、その機構を、TaをドープしたFe2VAlホイスラー型熱電材料を対象に、放射光X線を用いて詳しく調べた。その結果、Taに由来する共鳴モードと呼ばれる振動が観測され、Taの熱振動挙動は母材元素とは著しく異なることが明らかになった。このドーパント特有の熱振動が、熱伝導を担うフォノンの伝搬を阻害し、熱抵抗の上昇に寄与していると考えられる。
熱電材料は、廃熱を直接電気に変換できることから、エネルギー問題解決のキーとなる材料の一つである。熱電変換効率向上のために元素ドープがこれまで多くなされてきたが、本研究では新たに、ドープした元素の振動状態に着目した性能向上効果を示唆することが出来た。これは、新しい材料設計戦略の基礎となる成果であり、ドーパントの種類や量を従来とは異なった観点から最適化することにつながると期待される。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (2件)
Physical Review B
巻: 101 号: 2 ページ: 024302-024302
10.1103/physrevb.101.024302
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