研究課題
若手研究(B)
本研究ではin vivo2光子カルシウムイメージングをマーモセット大脳皮質視覚野に適用し、大脳皮質視覚野間を繋ぐ領野間結合の機能を軸索末端の活動イメージングにより調べるための技術を開発した。特に、霊長類神経細胞で大きいカルシウム反応が得られるようにGCaMPの発現手法を開発した。この技術により、軸索末端や樹状突起スパインでのカルシウム応答の計測に成功した。更に、この技術を応用することで高次視覚野から低次視覚野へのトップダウン結合が、多様な視覚情報を伝達していることを明らかにした。
脳の情報処理機構の解明は生物学的・医学的な重要性を持つ課題であるだけでなく、新しい人工知能の開発など工学的にも重要な意義を持つ。本研究では、そのような脳の情報処理機構の中でも特に機能が良く分かっていないトップダウン結合に着目し、その機能を実験的に調べる技術を開発した。さらに、この技術を高度な視覚処理能力を持つマーモセットサルに応用することにより、トップダウン結合が運ぶ多様な視覚情報を可視化することに成功した。今後、この技術を応用しトップダウン結合を含む様々な視覚情報処理の脳神経回路を調べることにより、生物の脳が持つ情報処理能力を社会的問題の解決に応用するための知見が得られると期待される。
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