研究課題/領域番号 |
17K14934
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
神経生理学・神経科学一般
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
竹内 勇一 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (40508884)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 左右性 / 脳の左右差 / 学習 / 捕食行動 / 遺伝子発現 / 利き / RNA-seq / 脳の機能分化 / 表現型多型 / シクリッド / 神経科学 / 行動学 / 生態学 |
研究成果の概要 |
左右性が顕著なタンガニイカ湖の鱗食魚について、左右性行動に関する回路素子・発達過程・遺伝基盤を調べた。生まれて初めての鱗食行動に左右差はあるのかを目的とし、固形飼料でのみ育てた幼魚を使って、捕食実験を行ったところ、鱗食初日の左右性は弱いが捕食を繰り返すことで強化された。すなわち、この左右性は、鱗食経験に基づいて獲得されることが明らかになった。また、利きと脳の左右差に関する脳内遺伝子を、RNA-seqで網羅的に解析した。鱗食魚の右脳もしくは左脳に特有な発現を示す遺伝子を同定した。なかには、初期胚で左右軸決定に携わる遺伝子が含まれており、それらが成魚の脳の左右差の維持に関わると示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
利き手のように体の片方を主に使う行動様式は脳内でどのように制御されるのか?左右の脳は高度に機能分化しており、その機構解明は脳科学上の重要な課題の一つである。私はタンガニイカ湖の鱗食魚を用いて、捕食時にみられる襲撃方向の利きは経験依存的な学習によって確立されるが、運動能力の左右差は生まれつき決まっていることを突き止めた。ヒトの利き手を代表として、様々な動物に広く認められるが、実はその獲得機構は、ほとんど明らかになっていなかった。鱗食魚の利きは非常に明瞭で、それを制御する入力から出力までの神経回路が想定できる。今後は、いまだ謎に包まれた「利きの脳内制御機構」の全容が解明できると考えている。
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