研究課題/領域番号 |
17K14960
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
飯田 和泉 (渡辺和泉) 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80751031)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | GluK3 / カイニン酸型グルタミン酸受容体 / 不安 / 行動解析 / グルタミン酸受容体 / 培養神経細胞 / 細胞免疫染色 / ドーパミン / 神経科学 / 神経伝達物質 |
研究成果の概要 |
本研究では、新規不安調節分子のカイニン酸型グルタミン酸受容体GluK3サブユニットの特徴を明らかにした。GluK3はマウスにおいて発達期から成体にかけて、嗅球や前頭前皮質に多く発現し、神経細胞において興奮と抑制刺激両方で制御されていた。さらにGluK3が欠損したマウスの前頭前皮質では、興奮性と抑制性シナプス分子の発現バランスが崩れていることが明らかとなった。また、GluK3を介した不安制御機構を薬理的に誘導することが困難であることが明らかとなった。今後は、GluK3を介した脳内における神経回路の可視化と、GluK3アンタゴニストによる薬剤により不安制御を可能とするために方法を開発したい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イオン透過型グルタミン酸受容体は脳全体への有害作用が懸念され、現在までこれを標的とした抗精神病薬の開発には至っていない。GluK3は大脳皮質や大脳辺縁系の一部の神経細胞に選択的に多く発現することから、これまで不可能であったイオン透過性グルタミン酸受容体を標的とした抗不安薬の創薬が可能となる重要な分子であり、本研究ではGluK3の特徴を始めて明らかにすることができた。本研究が進み、カイニン酸型受容体の生理機能の一端が明らかになれば、長年に渡り定着している「グルタミン酸受容体の記憶学習への役割」に加えて、情動の発現にも重要であるという新たな定説を組み込むことができる。
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