研究課題/領域番号 |
17K14969
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
横井 紀彦 生理学研究所, 分子細胞生理研究領域, 助教 (50710969)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2017年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | てんかん / シナプス伝達 / 蛋白質複合体 / リン酸化 / 蛋白質合成 / ナノドメイン/ナノカラム / トランスシナプス / 結晶構造 / AMPA受容体 / PSD-95 |
研究成果の概要 |
シナプス伝達のバランスの破綻はてんかん、統合失調症等の脳神経疾患を誘引すると考えられており、脳の興奮性を決定する分子機構の解明は重要な課題といえる。これまでに我々は家族性てんかん患者で見られるLGI1変異の網羅的解析により、LGI1の変異による分泌不全や、ADAM22との結合不全がてんかん発症の分子病態であることを報告してきた(Yokoi et al. Nat Med 2015)。本研究では、R474Q変異によるLGI1のホモ2量体結合の破綻がてんかんの原因になることを新たに見出した(Yamagata, Miyazaki, Yokoi et al, Nat Commun 2018)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
てんかんはけいれんや記憶喪失、幻聴などが伴う頻度の高い脳疾患である。現在用いられている抗てんかん薬の多くが、興奮性シナプス伝達の抑制、または抑制性シナプス伝達の亢進を戦略とするが、非特異的な作用による副作用の可能性が問題になっており、特異的な作用点を持つ、副作用の少ない抗てんかん薬への社会的な要求は非常に高い。一方、遺伝学的、免疫学的知見からLGI1が脳の興奮性を制御する鍵であることが強く示唆されている。本研究ではLGI1の変異を原因とする、新たなてんかんの分子病態を明らかにした。この成果は新たなてんかん治療法の開発に向けて、重要な知見を与えると期待される。
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