研究課題
若手研究(B)
化膿レンサ球菌(GAS)は、DNaseを分泌して好中球細胞外トラップ(NETs)を分解し、宿主感染防御を回避するが、GAS扁桃炎におけるNET分解産物の役割は不明であった。申請者は、GASを経鼻感染させた致死的マウスモデルを構築し、GAS感染によるコロニー形成及び鼻粘膜上皮細胞アポトーシスが好中球除去によって軽減することを見出した。次に、DNase(-)菌株では野生型と比較して致死率が著しく低下することを確認した。さらに、GAS-NETs共培養で得られたNET分解産物のヒト単球系細胞に対する細胞毒性を観察した。本研究結果から、GASは、NET分解産物を感染に利用している可能性が示唆された。
化膿レンサ球菌(GAS)は、ヒトに感染して様々な疾患を引き起こす病原性細菌である。特に急性扁桃炎が多く、腎疾患の発症や増悪にも関与することが知られている。GASは、好中球の強力な殺菌機序である好中球細胞外トラップ(NETs)を分解する能力を有しているが、GAS扁桃炎におけるNET分解産物の役割については解明されていなかった。申請者は、GASをマウスに経鼻感染させた扁桃炎モデルとヒトの白血球を用いた実験を行い、NET分解産物がGAS扁桃感染に重要であることを見出した。本研究によって、GAS感染で発動する好中球の感染防御機構を適切に制御することがGAS扁桃炎の治療ターゲットになる可能性が示された。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件)
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