研究課題/領域番号 |
17K14982
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
腫瘍生物学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
中澤 世識 群馬大学, 医学部附属病院, 医員 (60791978)
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研究協力者 |
徳永 文稔
解良 恭一
茂木 晃
清水 公裕
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肺癌 / 直鎖状ユビキチン / LUBAC / 癌 / 外科 |
研究成果の概要 |
肺癌の治療標的として直鎖状ユビキチン(M1-Ub)とその合成酵素であるLUBACの有用性を解析した。LUBAC構成因子の発現は肺癌患者の予後と有意に関連し、同系統の細胞株でLUBAC発現が有意に高かった。LUBAC高発現株でLUBAC発現を抑制するとNFKBを始めとした複数のシグナル伝達経路が抑制され、肺癌細胞株の増殖や浸潤が低下した。LUBACの選択的阻害剤も肺癌細胞株に同様の効果を示し、肺癌の治療標的としてLUBACの有用性が明らかとなった。LUBACを活性化する事でリンパ腫を引き起こすと報告されたアミノ酸に変異を有する肺癌症例も同定し、それらにおいてLUBACは高発現していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺癌は国内外で注目度の高い研究分野であるが、死亡率は依然高く、新規治療標的の同定が切望されている。またEGFR変異陽性肺癌が急増し、EGFR-TKIなど分子標的薬が著効する一方で、その耐性メカニズムの解明も重要である。本研究で直鎖状ユビキチンとその合成酵素LUBACがin vitroとin vivoで肺癌の治療標的として有用であることが明らかになった。また、本研究では肺癌が炎症性疾患を背景に発症する事から、LUBAC抑制により炎症を惹起するNFKB経路の抑制が可能となる事に加え、さらにEGFRなど他の腫瘍シグナル経路の活性化とLUBACの関与が明らかとなり、臨床的意義は深い。
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