研究課題/領域番号 |
17K14986
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
腫瘍生物学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西川 裕子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任研究員 (20583131)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | ピロリ菌 / 胃がん / がんタンパク質 / PAR1b / CagA / 細胞極性 |
研究成果の概要 |
ピロリ菌はがんタンパク質CagAを宿主細胞に注入し、細胞極性キナーゼPAR1bの機能を阻害することでその病原性を発揮する。CagA誘発胃がんのメカニズムを解明するにはその標的であるPAR1bの生理的機能を解明する必要がある。しかしながら、PAR1bの生理的機能ならびに制御機構はまだ不明な点が多い。本研究ではPAR1bの新規相互作用分子を同定することに成功した。また培養細胞内でこの分子がPAR1bの多量体化に必須であることも示し、PAR1bにおけるその責任領域も特定した。大腸菌から組み換えPAR1bタンパク質を大量に精製する方法も確立し、PAR1b多量体の試験管内再構成にも成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ピロリ菌は萎縮性胃炎、胃潰瘍、胃がん等の原因菌である。日本国内において胃がんは部位別がん死亡者数第3位であり、年間約5万人が命を落としている。ピロリ菌はがんタンパク質CagAを宿主細胞内に注入し、極性キナーゼPAR1bの機能を阻害することによりその病原性を発揮する。また、CagAはPAR1b多量体を足場として間接的に多量体化し、がん化を促進する。本研究によりPAR1b多量体化を促進する分子が同定されたことにより、今後、PAR1b多量体化の分子メカニズムおよびその生物学的意義が解明され、ピロリ菌が原因の胃粘膜病変の発症機構の解明が大いに進展すると期待される。
|