研究課題
若手研究(B)
トリプルネガティブ乳癌(TNBC)を対象に、治療前後の乳癌組織を用いて、免疫バイオマーカーの測定を組織上分布も併せて行った。CD8陽性T細胞とPD-L1の発現パターンによって、4つのタイプに分類し、Inflamed/PD-L1negであった症例はInflamed/PD-L1posと比較し予後良好であった(P=0.0365)。ExcludedはImmune desertと比較し同等に予後不良であった(P=0.371)。また、TNBCとHER2陽性乳癌を対象にT細胞レパトア解析を行い、特に術前化学療法施行症例では治療前の多様性や化学療法1コース後の多様性の変化でpCR予測の可能性が示唆された。
現在の乳癌薬物療法において最も問題となっているのは、追加治療の必要な患者群と追加治療が不要もしくは現治療が過剰である患者群の層別化が不十分であることである。本研究では、術前治療による遺残腫瘍症例における免疫バイオマーカーを検討し今後免疫チェックポイント阻害剤での追加治療が必要な症例を抽出することに成功した。これにより高価な分子標的治療の適応となる症例群が明確となった。また、T細胞レパトア解析では乳癌症例では過去に無いデータを創出した。今後これらのデータがもととなり、腫瘍抗原に反応する特異的なTCRであったり、必要な多様性の程度が明らかになってくると思われる。
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