研究課題/領域番号 |
17K15020
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
腫瘍治療学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
松本 吉史 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任講師 (60770211)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 肺扁平上皮癌 / グルタミン / 分子標的治療 |
研究成果の概要 |
グルタミノーリシスは固形癌の治療になると報告されている。我々は肺扁平上皮癌におけるグルタミノーシスの影響及び抗癌剤治療戦略におけるグルタミノーリシスの可能性を探索した。グルタミン依存性は6つの肺扁平上皮癌のセルラインで確認された。mTORC1活性とオートファジーの誘導はグルタミン除去やグルタミナーゼ阻害薬を介したグルタミノーリシス阻害後に確認された。5つの肺扁平上皮癌のセルラインではグルタミン依存性を示し、その依存性はGLS1/GLS2のmRNA発現レベルと相関していた。このことからグルタミノーリシス阻害はmTORC1シグナルのダウンレギュレートとオートファジーの誘導により細胞増殖を抑制した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺扁平上皮癌細胞株の多くはグルタミン代謝依存性で、Gls1 阻害剤による治療効果が十分期待できる。よって、分子標的治療薬が存在しない肺扁平上皮癌に対する新たな分子標的治療になる可能性が十分ある。一方、グルタミン代謝依存性に関わる遺伝子異常は、TP53, c-myc, Nrf2 がある。更には、神経膠芽腫や急性白血病にみられる IDH1遺伝子異常においてもグルタミン依存性が示されている。よってグルタミン代謝酵素であるグルタミナーゼをターゲットとした分子標的薬を開発する端緒となれば、これら遺伝子異常を持つ様々ながん腫に効果を発揮する可能性が高く、多くの患者の福音となる可能性がある。
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