研究課題/領域番号 |
17K15037
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
腫瘍治療学
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
坂井 千香 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, 研究員 (90622845)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ミトコンドリア / がん微小環境 / 制御性T細胞 / がん免疫療法 / 代謝 |
研究成果の概要 |
腫瘍局所では免疫抑制に寄与する制御性T細胞(Treg)が正常組織よりも高い割合で浸潤、活性化し免疫抑制状態にある。局所はがん細胞の異常な解糖系亢進により糖が不足している一方、解糖系産物の乳酸が高濃度に蓄積している。そこで本研究は活性化しているTregがエネルギー基質として何を使用しているのかを解析し、Tregの機能抑制の新しい標的を見出すことにした。局所でのTregの機能阻害はがん免疫療法の有効な手段となる。 解析の結果、局所のTregは抗腫瘍免疫に寄与するTeffより周囲に豊富な乳酸を効率的に使用していることがわかった。現在、局所のTregにおける乳酸代謝を標的とした薬剤を検討中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん免疫療法は患者の免疫応答を強化し、がん細胞を攻撃・排除する。しかし全身の免疫応答を過度に強化してしまうと自己免疫疾患等の副作用がある他、臨床試験で十分効果が認められない治療法も多い。奏功率が比較的高い免疫チェックポイント阻害剤の併用療法でも50%程度との報告がある。そこで現在、より効果的で副作用の少ない新規の免疫療法の開発が求められている。 本研究は、従来とは異なる作用機序で、かつ腫瘍局所に限局して作用する免疫療法の標的を見出すことに成功した。本研究を元に腫瘍局所において抗腫瘍免疫の妨げとなるTregの機能抑制が実現可能であると考えられる。
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