研究課題
若手研究(B)
1細胞プロテオミクスの実現を目指し、本申請課題では油中液滴法を開発した。1細胞プロテオミクスでは、細胞から回収した試料がプラスチック容器などへ吸着損失してしまうことで実現できていない。油中液滴法では、油液中に形成した微小な液滴内にタンパク質試料を格納することで、試料とプラスチック容器への接面積を大幅に縮小できた。油液の組成、液滴に添加するビーズの種類や添加する消化酵素量を最適化することで、回収率を飛躍的に改善した。今後はこの方法を用いることで、赤芽球ぶんかにおけるLRFの機能解明が加速することが期待できる。
同一細胞群内における分子レベルの不均一性が報告されている。細胞の個性は、幹細胞から多様な細胞種に分化を促すなど、生命活動には欠かすことができない。一方、細胞の個性は腫瘍細胞に抗がん剤耐性を付与しガンの根治を難しくするなど、人類が生きる上でネガティブな一面も持ち合わせている。タンパク質は生命活動の中心的役割を担う。1細胞プロテオミクスを実現できれば、赤芽球分化様式の解明だけでなく、腫瘍細胞集団内の抗がん剤耐性細胞やガン幹細胞など希少細胞集団に効果的な薬剤の開発、ヒト造血幹細胞の増殖法の開発など幅広い分野に利用されることが期待される。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 4件、 招待講演 5件) 産業財産権 (1件)
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