研究課題
若手研究(B)
染色体DNAを娘細胞や子孫に正しく伝承する事は、生命や種の維持の根幹に関わる重要な課題である。本研究では、私が以前ヒト細胞で確立した、オーキシンデグロン法による目的遺伝子の急速な不活化を駆使し、染色体伝承の2つのステップであるDNA複製と染色体分配の重要因子の役割を、これまでにない時間的分解能で解析し、興味深い結果を得た。とりわけ、未だその役割について世界中で論争中である、SMC5/6複合体の解析が進み、今後のさらなる研究の土台となった。
染色体DNAの伝承は、生命科学において重要な課題である一方、この過程の異常は、癌や様々な遺伝性疾患と密接な関わりがある。特に最近、幾つかの遺伝性疾患、癌、母年齢効果が、コヒーシンやSMC5/6の異常によって引き起こされることが分かってきた。本研究では、私が以前確立したヒト細胞におけるオーキシンデグロン法を用いて、コヒーシンに比べて研究が遅れているSMC5/6の基礎的な理解が大きく進んだ。今度は、患者のSMC5/6遺伝子の変異を含めた解析を進めることにより、これらの疾患の分子機構の解明及び治療に繋がると考えている。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 2件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件)
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