研究課題
若手研究(B)
光活性化アデニル酸シクラーゼは、情報伝達物質(cAMP)の生産を光で制御できる生体タンパク質で、生体内での光スイッチとして医学的な応用が期待される分子である。また、ランソウ由来の光活性化アデニル酸シクラーゼ(OaPAC)における原子レベルでの構造・機能解明に成功した(PNAS, 2016)。本研究では解明されたOaPAC光活性化メカニズムの構造科学的解明を基に、細胞内セカンドメッセンジャーにおける光制御の応用展開、酵素ドメイン改変によるcGMP光産生酵素の創出や脳病変発生などによる発生学的疾病の機構解明、さらに光遺伝学による神経回路形成疾患などの医療への基礎医学的研究を目指す。
光活性化アデニル酸シクラーゼ(PAC)は特性解明や生物機能光制御への展開も提唱・実行されており、また藍藻由来のPACである、OaPACの立体構造解明に成功し、光活性化機構に関する構造生物学的な研究は本研究グループが先駆的に積み上げてきた。近年、「光遺伝学」が急速に普及し、OaPACによるcAMPを介する生体機能光制御は、光発生医学現象の制御・解明・治療・創薬スクリーニングという広大な新分野の開拓を先導かつ独創的な新領域の研究分野であると言える。本研究により今後、構造生命科学的解析を基盤として、優れた特性の改良型OaPACの創出とそれに基づく広範で多彩な応用展開につながることが期待できる。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)
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