研究課題/領域番号 |
17K15098
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
奥村 正樹 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (50635810)
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研究協力者 |
稲葉 謙次
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 小胞体 / フォールディング中間体 / 高速AFM / NMR / PDI / ジスルフィド結合 / PDIファミリー / 前駆体蛋白質 / 酸化的フォールディング / oxidative folding / folding intermediate / プロウログアニリン / 分子認識 |
研究成果の概要 |
PDIは、小胞体内で構造未成熟の様々なタンパク質に働きかけ、ジスルフィド結合の導入および修復を行っている。これまでPDIがどのように基質の様々なフォールディング状態を認識しているか不明であったが、高速AFMによる1分子観察により、BPTI、RNaseA等、形や大きさ、ジスルフィド結合の数が異なる様々な基質の様々なフォールディング状態で検証した際、PDIは変性基質依存的に二量体へ会合し、その中央に形成される空間を観察することに世界で初めて成功し、PDIの全く新しい触媒機構を提唱した(Okumura*&Noi, et al., Nat Chem Biol 2019)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パーキンソン病やアルツハイマー病など種々の神経変性疾患は体内で構造異常たんぱく質が過剰に蓄積することで引き起こされることが知られる。これまでにPDIの変異や機能欠損を引き起こす化学修飾が、さまざまな神経変性疾患の患者から見つかっている。今回新たにPDIの動的性質や二量体形成が、サイズやジスルフィド結合の数が異なるさまざまな基質のフォールディング状態を認識する上で、重要な役割を果たすことを明らかにした。本基礎的知見の獲得は、生体内における高効率・高精度なフォールディング促進機構の新たな解明につながり、神経変性疾患や2型糖尿病などのフォールディング病に関する有用な情報を提供するものと期待される。
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