研究課題/領域番号 |
17K15101
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2018) 東京大学 (2017) |
研究代表者 |
渡邉 宙志 慶應義塾大学, 理工学研究科(矢上), 特任講師 (20767199)
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研究協力者 |
山田 真行
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2017年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 水素イオン / 分子シミュレーション / 凝縮系 / 量子化学 / ダイナミクス / 物理化学 / 分子動力学法 / プロトン移動 / QM/MM法 / 生物物理 |
研究成果の概要 |
我々は溶媒の量子化学効果を取り込む手法を検証・改良する過程において、全てのハイブリッドモデルシミュレーションが影響をうけるアーティファクトを発見した。このアーティファクトは今まで議論されたことはなかったが、水素イオンのダイナミクスを再現する上でそれを補正することが非常に重要になる。そこで当初の予定を変更し、このアーティファクトの詳細な分析と補正法の提唱を行いその有効性を示すことに成功した。 さらに水溶液系の中で余剰の水素イオンの連続的な座標表現を、従来我々が提唱している手法に組み込むことで、水素イオンをダイナミクス計算で安定して取り扱えるように改良し、安定で正確なシミュレーションが可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素イオンは最も身近で重要な存在であるにも関わらず、時間発展の分子シミュレーションにおいて最も取り扱いが難しい対象であった。したがって、本研究において水素イオンを取り扱う理論的フレームワークが出来上がったことにより、今までダイナミクス計算で取り扱えなかった生体分子の(生体分子のプロトン輸送や構造の加水分解など)重要な現象や機能の解析が可能になることを示唆している。 また生体分子に限らず、水素イオンは溶液中での様々な化学反応に関連しているために重要な役割を果たしている。したがって以後これら多分野のシミュレーションにも応用され、様々な現象のメカニズム解明に役立つことが期待される。
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