研究課題/領域番号 |
17K15104
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
関山 直孝 京都大学, 理学研究科, 助教 (50758810)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | タンパク質 / RNA / 構造生物学 / 液液相分離 / 蛋白質 / 凝集体 / 発現制御 / ストレス顆粒 / 天然変性蛋白質 |
研究成果の概要 |
本研究は、ストレス顆粒を形成するIDR同士の相互作用を解析することで、IDRの自己組織化メカニズムを明らかにすることを目的とした。 初めに、RNA結合タンパク質であるTIA-1のIDR領域が液-液相分離(LLPS)を形成することを見出した。LLPS形成の温度依存性について調べたところ、家族性ALS変異が導入されると転移温度が高温側に移動したことから、ALS変異はLLPS形成を促進することがわかった。LLPS形成に働く相互作用を解析するため、核磁気共鳴法(NMR)とトリプトファンの蛍光偏光解消測定を行ったところ、芳香環を含むアミノ酸を介した相互作用が重要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、IDRをもつRNA結合蛋白質がLLPSを形成することが発見され注目を集めているが、IDRを対象とした構造学的研究は不足していた。さらにTIA-1に関する構造学的研究はほとんど行われていないことから、本研究の成果は学術的に意義深い。 また、ストレス顆粒に含まれるRNA結合蛋白質の機能不全は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経変性疾患の発症と深い関連があることが知られている。本研究では、家族性ALS変異が、LLPS形成を促進することを明らかにした。この発見は、TIA-1が関与する神経変性疾患の発症メカニズムの解明につながることが期待されることからも、医学・薬学的な観点から意義深い。
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