研究課題/領域番号 |
17K15106
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 京都大学 (2021) 国立研究開発法人理化学研究所 (2018-2020) 神戸大学 (2017) |
研究代表者 |
松本 篤幸 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (00753906)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | Ras / がん変異体 / X線結晶構造解析 / 分子動力学計算 / 動的平衡 / state transition / 分子動力学シミュレーション / 立体構造 / State遷移 / ダイナミクス / NMR |
研究成果の概要 |
GTP結合型Rasタンパク質は、不活性型State 1と活性型State 2の2つの構造状態を行き来している。野生型H-RasのState 1ではがん変異が起こるGln61がその立体構造形成において中心的な役割を果たすことが明らかになっている。そこで本研究では代表的ながん変異Q61L・Q61Hと活性化メカニズムとの関連を調べるためそれらのState 1の結晶構造を決定し、さらに分子動力学計算を用いて動的振る舞いを解析した。その結果、変異導入によりGln61周辺領域の相互作用パターンの組み換えが引き起こされ、さらにQ61L変異では活性型様の構造的特徴を獲得することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
低分子量GTPaseであるがん遺伝子産物Rasは、ヒトのがん全体の20-30%において突然変異による恒常的活性化が見られることから、学術的側面のみならずがん治療薬開発の標的として社会的に重要な生体高分子である。これまで変異によるRasの恒常的活性化メカニズムはGTP加水分解活性の低下の側面から主に議論されてきた。本研究の成果はがん変異により引き起こされる構造的特徴の変調を介した別の活性化メカニズムの存在を示唆しており、新たな作用機序を持つ分子標的薬開発のための手掛かりを与えるかもしれない。
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