研究課題/領域番号 |
17K15109
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
塚本 寿夫 分子科学研究所, 生命・錯体分子科学研究領域, 助教 (90579814)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | イオンチャネル / 赤外分光 / 蛍光標識 / 膜タンパク質 / GPCR / リポソーム / 蛍光分光 / 受容体 |
研究成果の概要 |
一般にカリウムチャネルはナトリウムイオンを透過しないが、TWIK-1というカリウムチャネルは細胞外環境に応じてナトリウムイオンも透過する。この「緩い」イオン選択性を生み出すメカニズムを明らかにすることをめざして、TWIK-1に対して赤外分光解析と蛍光分光解析を行った。赤外分光解析からは、イオン選択性を生み出す選択フィルタ部位のカリウムイオンに対する親和性が低いことがわかり、蛍光分光解析からは細胞外ドメイン内のイオンの「出入口」が、ナトリウムイオン濃度が高いと広がることを示唆する結果を得た。すなわち、TWIK-1の選択フィルタ部位と細胞外ドメインが協調的にイオン選択性を制御していると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞内外に電位差を生み出すために重要な、カリウムイオンチャネルがカリウムイオンを通すが、より小さなナトリウムイオンは通さないメカニズムは、主にX線結晶構造解析から明らかにされ、2003年度のノーベル化学賞の対象となっている。TWIK-1の結晶構造も2012年に報告されているが、選択フィルタ部位の構造が他のカリウムイオンチャネルと同一であり、なぜイオン選択性が低いのか不明のままであった。今回の研究成果は、TWIK-1の「緩い」イオン選択性を生み出す分子メカニズムに新しい知見を与えるものであり、カリウムイオンチャネルの機能制御機構をより深く理解する上で意義深いと考えている。
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