研究課題/領域番号 |
17K15151
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
形態・構造
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
石原 潤一 千葉大学, 真菌医学研究センター, 特任助教 (40732409)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ラマン散乱分光 / ラマンスペクトル / シアノバクテリア / ヘテロシスト / 光合成色素 / 微生物 |
研究成果の概要 |
研究申請者は、多細胞性シアノバクテリアでヘテロシストがほぼ10細胞おきに分化するメカニズムを解析した。まず栄養細胞やヘテロシストからラマンスペクトルを計測し、そこに含まれる20個以上のラマンバンドが4つの光合成タンパク質に帰属されることを示した。特に、フィコシアニンのラマンバンド強度は、分化する過程で徐々に減少することを見出した。さらに、このようなラマンバンドの変化は、隣接した複数の栄養細胞で見られ、いずれか1つの細胞が分化すると、残りの細胞のラマンバンド強度が可逆的に上昇することも分かった。つまり、光合成色素のラマンバンドの変化を通じて、ヘテロシストの位置が調節的に決定されることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞内の生体分子の濃度や局在を計測するとき、例えば蛍光タンパク質などで標識化する方法が主流である。しかし、この方法を用いた場合、その分子の機能が失われたり、また合成や分解を時間差なくトレースすることが難しい。本研究では、ラマンスぺクトル計測がこれらの問題点を克服し、標的分子のダイナミクスを非標識かつリアルタイムで解析できることを示した。さらに、ラマンスペクトルには多数の分子に帰属されるラマンバンドが含まれるため、1回の計測でこれらの分子のダイナミクスを同時に得ることができる。したがって、研究代表者は、ラマンスペクトル解析が生命科学の研究に有効であり、次世代の手法になりうる可能性を示した。
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