研究課題/領域番号 |
17K15173
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 北海道大学 (2018-2019) 神戸大学 (2017) |
研究代表者 |
山口 愛果 北海道大学, 理学研究院, 学術研究員 (80467860)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 渦鞭毛藻 / 形態 / 系統 / 従属栄養 / 底生生物 / 生物多様性 / 分子系統 / 分類学 |
研究成果の概要 |
従属栄養性底生渦鞭毛藻の多様性と系統関係の解明を目的とした。分類学的に所属不明で出現報告の少ないCabra mattaを発見し、世界初の分子系統学的解析を行った。本種は他の底生渦鞭毛藻1種と外洋性渦鞭毛藻ポドランパス科の数種と近縁であることが示された。これらは各鎧板の形態や枚数が共通する一方、横溝と縦溝に明確な相違が見られた。また、底生渦鞭毛藻アンフィディニオプシス属の新種を発見し、鎧板配列を決定して同属の既存種や別産地の標本と比較した。本属の種と遊泳性渦鞭毛藻プロトペリディニウム科、他の底生渦鞭毛藻を中心とした分子系統学的解析を行い、その結果と形態的特徴から分類学的再検討を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
底生渦鞭毛藻は形態・生理・生態的に多様で、遊泳性渦鞭毛藻には見られない特異な形態や生活環をもつ種が存在する。現在認識されている渦鞭毛藻の分類体系は、分類学的研究の歴史の長い遊泳性渦鞭毛藻の研究に基づいている。本研究では形態情報からのみでは系統的位置を推察することが難しい底生渦鞭毛藻に重点を置いて分子系統学的解析を行った。その成果は、別々に確立されてきた底生渦鞭毛藻と遊泳性渦鞭毛藻の分類体系を統括的に再検討する糸口を与えた。また、本研究成果は分類学的な意義に加えて、多様性に富み繁栄に成功した生物群である渦鞭毛藻全体の進化過程や水圏生物の進化パターンを知る面からも有用である。
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