研究課題/領域番号 |
17K15183
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
片山 泰樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (40549896)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 堆積物環境 / メタン生成アーキア / 共生 / 新門 / 分離培養 / 微生物 / 新門候補 / 未培養 / メタン / 細胞膜 / 培養 / メタゲノム / 未培養微生物 / メタン生成 |
研究成果の概要 |
堆積物環境に優占する未培養の微生物系統群の生理生態学的性質を明らかにし新規な分類群としての枠組みを決定するために、堆積物試料からオミクス技術を活用した培養を行った。その結果、海底堆積物を含む嫌気環境に広く分布し、かつ優占する未培養新門Atribacteriaの純粋培養に成功した。本分離株RT761株は、絶対嫌気性の発酵細菌で水素利用性メタン生成アーキアと共生関係を持つ。RT761株は細胞を覆う外膜及び内膜に加えて細胞内膜を有し、ゲノムDNA及びRNAを隔離していることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
RT761株の帰属する新門候補Atribacteriaは、堆積物環境での優占性から生態学的に着目されていたが、1998年に遺伝子として発見されてから約20年間一度も培養例がなかった。本研究にて世界で初めて純粋培養に成功し、その実体が明らかとなった。また、原核生物では最も高次の分類階級「門」レベルで新規な菌であり、分類・進化学的にも重要な発見となった。特に、原核細胞の定義を覆す核様体を包む膜の存在は、細胞生物学にも非常に興味深い発見であり、大きな波及効果をもたらす。
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