研究課題/領域番号 |
17K15188
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石原 千晶 (安田千晶 / 安田) 北海道大学, 水産科学研究院, 助教 (80771451)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2017年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 個体識別 / 認知能力 / 無脊椎動物 / ヤドカリ / 記憶の継続と忘却 / 記憶の破棄 / 情報更新 / 行動学 / 生態学 / 認知科学 |
研究成果の概要 |
本研究では、高度な認知能力は高度な脳神経系を有する脊椎動物にしか起こりえない、という妄信の打破を目指し、脳を持たないテナガホンヤドカリをモデル生物として無脊椎動物の認知能力の解明に取り組んだ。本種の劣位な小型オスは、メスをめぐるオス間闘争において、自分を1度退けた大型オスを個体識別して、少なくとも1時間後に同じ相手と遭遇した場合、2度目の闘争を回避するが、その相手が武器形質である大鋏脚を失っていた場合には、再び積極的に闘争を仕掛けることが明らかになった。これは、本種のオスが以前に構築した個体識別を破棄し、速やかに情報を更新可能であることを示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、一般に「能無し」と考えられてきた「脳なし」の生物たちが、実は「能無し」ではないことを端的に示す1例となる。本質的なコミュニケーション能力である個体識別は、ヒトや霊長類・鳥類はもちろんのこと、既に節足動物を中心とした無脊椎動物においても実証されつつあり、彼らが「能無し」でないことが徐々に明らかになってきた。本研究ではさらに「識別の破棄・情報更新」という要素を加えることで、彼らの能力が従来の想定以上であることを強く示唆している。
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