研究課題/領域番号 |
17K15205
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
応用人類学
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター (2018-2019) 九州大学 (2017) |
研究代表者 |
江頭 優佳 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, 流動研究員 (10793200)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 向社会的行動 / 遺伝子多型 / 性格特性 / 向社会性 / 発達障害 / 実験心理学 / 生理人類学 |
研究成果の概要 |
日本人集団の向社会的行動と遺伝子多型との関連を検討するため、健常大学生に対して経済ゲームを実施した。同時にアンケートにより共感特性、所属欲求、ADHD傾向、ASD傾向などの個人の性格・発達特性を把握した。解析対象とした遺伝子多型はセロトニントランスポーター遺伝子多型(5-HTTLPR)、オキシトシン受容体遺伝子多型であった。結果、5-HTTLPRの日本人に少ない型が利己的な金銭授受をしやすかった。一方でADHD傾向が高いほど平等な分配をしやすい、コミュニケーションが苦手なほど平等な分配をしないなど発達障害特性との関連があり、向社会的行動と発達特性との関連を考慮する必要があることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトにとって集団を維持することは生存および発展に不可欠であり、向社会的行動は集団を維持する上で重要な戦略のひとつである。日本人集団では欧米と比較して不安障害のリスクが高く共感性が乏しい遺伝子型を持つヒトが多い。本研究の結果日本人集団に多い遺伝子型を持つ方が向社会的行動をとりやすいことが分かった。一方でこれらは不安を感じやすい群でもあり、集団維持のために過剰に適応的行動を選択している可能性がある。こうした集団の特性を把握することで、うつ病などの精神疾患などに対する新しい治療法の開発につながる可能性がある。
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