研究課題/領域番号 |
17K15285
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
森林科学
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研究機関 | 広島大学 (2019-2020) 琉球大学 (2017-2018) |
研究代表者 |
中林 雅 広島大学, 先進理工系科学研究科, 助教 (70770858)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 種子散布 / イチジク / 大型動物 / 空洞化 / 熱帯雨林 / 小型種子 / 森林の空洞化 / マイクロサテライト / ボルネオ |
研究成果の概要 |
本研究ではボルネオ島の健全な森林、大型動物を喪失した空洞化した森林、近年大規模な伐採を受けた二次林の3か所でイチジクの密度を比較した。対象のイチジクは、発芽・生長や体の支えに宿主が必要な半着生性とつる性の種である。3か所の調査地に50ヘクタールのプロットを各1か所設置し、25m間隔で作成したトランセクト上で発見したすべての対象種を記録し、種数と密度、果実サイズを比較した。 その結果、健全な森林と近年大規模な伐採を受けた二次林では種数、密度、果実サイズともに有意差はなかった。空洞化した森林の調査は未完成で中断したが、種数、密度、果実サイズのすべてが他の森林よりも小さい(少ない)ことが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、大型種子散布動物を喪失した森林では、イチジク属の種多様性や密度に影響があることが分かった。このことから、種子が小さい植物でも大型種子散布動物の喪失による影響は無視できないことが示唆された。また、近年に伐採された森林でも大型動物が生息していれば、イチジク属の種子散布機能は喪失していないことも分かった。本研究は、小型種子をつける植物は森林の空洞化の影響を受けにくいという従来の考えを覆すものであり、大型動物の保全の意義を明確に主張する証拠となり得る。 本研究により、大型動物の喪失による被食散布型植物や生態系への影響は、種子サイズに関わらず包括的に評価されるべきであることが示唆された。
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