研究課題/領域番号 |
17K15310
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
水圏生産科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
若林 香織 広島大学, 生物圏科学研究科, 助教 (20725147)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 未利用資源 / 動物プランクトン / 十脚類幼生 / 摂餌生態 / クラゲ類 |
研究成果の概要 |
クラゲ類などのゼラチン質動物プランクトンが魚介類養殖用飼料原料になり得るかどうかを、天然海域でクラゲ類などを食べて生活しているウチワエビ類幼生をモデルとして評価した。クラゲ類と同様に沿岸域で大量に出現することのあるクシクラゲ類を与えると、幼生はクシクラゲ類に接触するとすぐに取りつき、摂食を開始した。クラゲおよびクシクラゲ類を原料に作製した人工飼料は、ウチワエビ類の幼生が摂食でき、とくに後期幼生において高い頻度で摂餌する様子を確認した。さらに、飼料由来の粒子の腸管内での挙動を可視化するために添加した染料は幼生の中腸腺内に認められた。しかし、人工飼料のみの給餌による幼生の発育には至らなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界各地の沿岸域では、近年、クラゲ類やクシクラゲ類が長期的かつ多発的に集団で出現している。これらの大量出現は、沿岸域での産業活動の停滞を招く。たとえば、発電所付近に集まって取水口の目詰まりを引き起こす。また、定置網や底曳き網などに入り込んで、漁業に甚大な被害をもたらす。一方、大量のゼラチン質動物プランクトンはそれ自体を資源とみなすこともでき、食品、化粧品、医薬品、研究試薬などとしての利用が期待されている。本成果は、ゼラチン質動物プランクトンの水産分野での利用開発に貢献するものである。様々な水産有用魚介類がクラゲ類を好んで食べることが知られているので、将来の増養殖技術向上への貢献も期待される。
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