研究課題/領域番号 |
17K15326
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
水圏生命科学
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
辻 敬典 関西学院大学, 理工学部, 助教 (40728268)
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研究協力者 |
松田 祐介
中島 健介
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 海洋性珪藻 / 光合成 / CO2固定 / CO2濃縮機構 / 海洋物質循環 / 海洋一次生産 / 珪藻 / 栄養塩取り込み / ナトリウムポンプ / イオン輸送 / 一次生産 / 植物プランクトン |
研究成果の概要 |
珪藻は海洋一次生産者の約4割を担う主要生産者であり、珪藻による栄養塩の吸収と同化は、海洋生態系の維持および物質循環の駆動力として重要である。珪藻では、細胞内外のNa+濃度勾配が栄養塩取り込みの駆動力であることが先行研究により報告されている。本研究では、栄養塩吸収に必要な細胞膜Na+排出ポンプの実体の解明を目標とした。阻害剤を用いた解析により、P型ATPaseがNa+排出に関与することを示唆した。また、膜不透過性のビオチン化試薬を用い、細胞表層タンパク質のビオチン標識に成功した。今後はビオチン化タンパク質を精製し質量分析装置で同定することで、Na+ポンプの同定につながると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
珪藻による栄養塩の吸収と同化は、地球規模の物質循環を駆動するエンジンとして機能している。本研究では、栄養塩吸収の駆動力を生み出すと推定されているナトリウムポンプの分子実体同定を目指した。その結果、哺乳類などでナトリウム排出に関与することが知られている輸送体(P型ATPase)が、珪藻の栄養塩吸収に関与することを示唆した。また、珪藻の細胞表層タンパク質を網羅的に同定するための基盤も確立した。これらの結果は、珪藻による栄養塩吸収機構と物質生産の理解に必要不可欠なものである。
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