研究課題/領域番号 |
17K15356
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
農業環境・情報工学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
田中 冴 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (60770336)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 近赤外光 / グルコース / 異性体 / 糖類 / 多変量解析 / 近赤外分光 / 水分子 / 定量 / 糖 / 生体計測 / 分析化学 / 非侵襲的測定 |
研究成果の概要 |
エネルギー源であるグルコースは、水溶液中では2つの異性体が4:6の割合で混ざり合った状態で存在する。この割合は、温度やイオンの存在、酵素反応によって変化しうるが、生体や反応溶液中での異性体比の変化をその場で検出する方法はこれまで存在しなかった。本研究では、生体透過性が高く非侵襲の測定が可能な近赤外光を用いて、グルコース異性体水溶液の近赤外光波形の解析と異性体比の定量化を行った。その結果、グルコースの2つの異性体は、異性体割合と相関の最も高い1742nmを含めた、複数の波長領域で波形の違いを示した。この波形の違いを用いて、生体様環境でも安定的な定量法を確立した。今後、生体への応用が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの近赤外光を用いた研究では、二つの異性体の存在を無視して、グルコースを一つの化学物質として扱っていた。しかしながら、近赤外光は分子の構造に依存して波形が変わることから、各異性体は異なる波形を示す可能性があった。本研究はその可能性に着目して解析を行うことで、これまでの研究が見逃していた異性体間の波形変化を明らかにした。この成果は、波形中に現れる分子の正確な情報を提供することで、血糖値の非侵襲測定をはじめとする糖の測定システム構築の発展を促すことが期待される。さらに、本研究の成果から、異性体割合の検出系を構築することで、がん細胞などの糖代謝の異なる細胞を検出できる可能性も考えられる。
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