研究課題/領域番号 |
17K15358
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
動物生産科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鈴木 裕 北海道大学, 農学研究院, 助教 (10793846)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ウシ / ルーメン / 上皮バリア / 菌体分子 / 細胞増殖 / ルーメン上皮組織 / 未分化細胞 / 細胞培養 / 上皮バリア機構 / サイトカイン分泌 |
研究成果の概要 |
本研究は、ウシのルーメン上皮バリアの機能改善を念頭に、子牛の時期のルーメン上皮バリアの成立機序の解明を目指した。はじめに組織発達前後のルーメンにおいてRNA-seqを行った結果、菌体成分が上皮の免疫・防御反応を促進する可能性が示唆された。同時に、組織発達時に細胞供給源の探索を行った結果、ルーメン上皮基底部において未分化および細胞増殖マーカーを発現する細胞群の存在が示唆された。さらに、ルーメン上皮細胞の培養系を改良し、上皮シートを体外で培養することが可能になった。今後は、確立したルーメン細胞培養系を利用して、上皮バリアと免疫機構を誘導する分子的機序を詳細に検討する必要性が提示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、濃厚飼料の過給によるルーメンアシドーシスや肝膿瘍が発生し、大きな問題となっている。これらはウシのルーメン上皮バリアの破綻に起因すると考えられている。本研究はルーメン上皮バリアを分子的に解明することを目指し、ルーメン発達過程において菌体成分が上皮の免疫・防御反応を促進する可能性を新たに示唆した。また、ルーメン上皮の基底部における増殖細胞の存在を明らかにし、これを利用することで上皮シートを体外培養することが可能になった。作出した細胞培養系は今後、上皮バリアを保護する機能分子のスクリーニングなどに利用できる。本研究により肉牛や乳牛に多発するルーメン関連疾患の予防・治療法に新規知見を提供した。
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