研究課題
若手研究(B)
次世代に目的の遺伝子を残す技術は有用であり、医療、家畜生産や、絶滅危惧種の維持の側面からも重要である。目的の子孫を残す方法として、キメラ技術がある。そこで、本研究では直接受精卵で生殖細胞欠損胚を作出することで、通常キメラと比較し、目的細胞の生殖細胞への寄与率改善を目指した。Prdm14をターゲットとして4種類のgRNAを使用し受精卵に注入することで、約6割の胚で効率的に欠損出来ることが示された。実際にキメラ個体を作出したが、通常胚とのキメラと比較し生殖細胞への寄与率に大幅な改善はみられなかった。加えて、本研究でアガロースカプセルを用いた胚培養技術を開発し、凍結保存等に有用であることが示された。
目的遺伝資源を生産する方法として、キメラ技術がある。受精卵に、別の個体の受精卵やES細胞、iPS細胞などを注入、あるいは集合培養によりキメラ胚を作出することで、生まれた個体の精子や卵子は注入された受精卵やiPS細胞の遺伝情報を受け継ぐことが可能である。しかしながら、キメラ個体の場合、生殖細胞まで寄与する割合はあまり高くない場合が多い。そこで本研究で実施した手法をさらに洗練することでより効率的な遺伝資源の増産が可能となる。また、本研究で開発したアガロースカプセルを用いることで、産仔率や耐凍性が向上するため、少ない資源でも次世代へつなぐ一助となる。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件)
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