研究課題/領域番号 |
17K15373
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
獣医学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
佐藤 真伍 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (60708593)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Bartonella quintana / サル / 塹壕熱 / 細菌性血管腫 / 遺伝的多様性 / HUVEC / bepA / 抗アポトーシス作用 / 全ゲノム解析 / MLST / 人血管内皮細胞 |
研究成果の概要 |
Bartonella quintanaは塹壕熱の病原体で,免疫不全者には細菌性血管腫を引き起こす。これまでに,中国の飼育ザルや日本の野生ザルから本菌は分離されているが,わが国の研究機関のサルにおける分布状況は不明であり,またサル由来株の病原性も検討されていない。 研究用ニホンザル3頭からB. quintanaが分離された。アカゲザル,カニクイザル,ヒト由来株のゲノム性状と比較し,ニホンザル由来株の遺伝的多様性は低かった。また,ニホンザル由来株はヒト血管内皮細胞(HUVEC)へ感染性を有しているものの,抗アポトーシス作用といった病原性を失いながら進化してきた可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって,わが国の研究機関で飼育されているニホンザルにおいてB. quintanaが分布していることが初めて明らかとなった。さらに,ニホンザル由来B. quintanaはHUVECに感染し,その細胞内へ侵入することも実験的に示唆された。一方,本実験の菌株は,ヒト患者由来株と異なり,腫瘍形成の責任遺伝子がゲノム上から欠失しており,抗アポトーシス作用もみられなかった。これらの結果から,ニホンザル由来株は病原性の一部を失いながら進化してきた株であると推察された。 本研究の成果は,研究用サルを取り扱う上での公衆衛生学なリスクを事前評価する際の一助になると考えられた。
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