研究課題/領域番号 |
17K15375
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
獣医学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
細谷 謙次 北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (50566156)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | イヌ / がん幹細胞 / 放射線療法 / メトフォルミン / mTOR / 増感剤 / 放射線治療 / ゲダトリシブ / PI3K/mTOR経路 / 腫瘍 / Metformin / 分子標的療法 / 活性酸素 / ミトコンドリア / 放射線科学 |
研究成果の概要 |
がん幹細胞(CSC)の存在は、がんの放射線治療において、癌細胞の残存・再発につながる重要な要因である。本研究では、犬の腫瘍細胞株を用いて、CSCの分離法を確立し、CSCの放射線抵抗性の機序を明らかとし、さらにCSCを放射線感受性にする薬剤の探索を目的とした。 Spheroid culture法にて分離した細胞を調べたところ、元の細胞よりもCSCの特徴を示すことが確認された。このCSCが多く含まれる細胞群は元の細胞よりも放射線抵抗性であり、機序としてミトコンドリアの機能亢進が認められた。ミトコンドリア機能を阻害する薬剤として、メトフォルミンがCSCに対して放射線増感効果があることが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、がん幹細胞の存在は議論のあるところであり、臨床の放射線治療においてはその存在は重要視されてきていなかった。本研究では複数の腫瘍細胞株においてがん幹細胞の存在が示され、それらを分離培養する手法も確立された。このCSCの放射線抵抗性の機序として、これまで注目されていなかったミトコンドリア機能亢進という機序が明らかになったことで、従来とは異なる新たな放射線増感戦略が立てられるものと思われる。実際に本研究においてミトコンドリア機能を阻害するメトフォルミンにCSC特異的な放射線増感効果が認められており、上記の理論が裏付けされている。今後は放射線治療に応用できる新たな放射線増感剤の探索が見込まれる。
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