研究課題/領域番号 |
17K15390
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
統合動物科学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
高野 桂 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (50453139)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ミクログリア / アストロサイト / トランスグルタミナーゼ / 神経変性疾患 / アルツハイマー病 / アミロイドβ |
研究成果の概要 |
我々はこれまでに、アストロサイトやミクログリアの活性化時にTG2発現が上昇すること、その発現上昇がNO産生に関与することを報告している。また、ミクログリアの貪食能にもTG2の関与が示唆された。アルツハイマー病に特徴的なAβはグリア細胞を活性化するとともに高濃度では直接神経細胞を障害する。本研究結果から、アストロサイトはAβを取り込む一方で、細胞外に放出したTGsによってAβの凝集を促進する可能性が示唆された。また、ミクログリアによるAβの取り込みにはTG2との結合が関与すると考えられた。以上の結果から、グリア細胞に発現するTGsの変化が疾患時の機能変化に関与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
グリア細胞の機能制御が正常な脳内環境の維持に重要であることは周知の事実となりつつあり、グリア細胞の炎症反応を単に抑制する化合物は報告されているが、対症療法にすぎない。TGsは神経変性疾患での発現上昇などは知られているものの、グリア細胞での発現およびその機能についての報告は少ない。また、TGs活性阻害剤がハンチントン病モデル動物において症状軽減および延命効果があるとの報告もあり、TGsは新規の脳疾患治療薬のターゲットとなりうる。本研究成果により、グリア細胞におけるTGsの発現および機能調節機構が解明されれば、神経変性疾患における神経細胞死を保護する新たな薬剤の開発につながることが期待される。
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