研究課題/領域番号 |
17K15403
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
環境農学(含ランドスケープ科学)
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
鈴木 伸洋 上智大学, 理工学部, 准教授 (50735925)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 熱ストレス / 長距離シグナル / 記憶 / 獲得熱耐性 / 熱ストレス耐性 |
研究成果の概要 |
植物の体の一部のみが熱ストレスにさらされると、植物の体全体にその情報が伝達される(これを長距離シグナルという)。その後、植物の体全体で熱ストレスに対応するメカニズムが活性化される。さらに、植物は過去の熱ストレスを記憶し、後の強い熱ストレスに備える能力も持つ。本研究ではこれらの植物の能力に注目し、植物の熱ストレス耐性を高める方法の確立を試みた。その結果、2枚の葉を熱ストレスにさらした後、通常の条件下で3時間回復させると、植物は強い熱ストレスに対する耐性を獲得できることがわかった。また、強い熱ストレスに対する耐性は、植物の体全体への5分間の熱処理とそれに続く3時間の回復によっても強化された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、地球温暖化に伴う温度上昇による作物収量の低下が報告されており、この影響により食料問題が深刻化する恐れもある。これまで遺伝子組換えにより作物の熱ストレス耐性を向上させる報告が多数あるものの、日本も含め遺伝子組換え作物の栽培に規制がある国での社会への実装は難しい。また、従来の交配に頼る品種改良には長い年月がかかり、地球温暖化が進行するスピードに追い付かない恐れもある。本研究の成果は、植物体の一部分に熱ストレス処理をするだけで熱ストレス耐性が向上することを示した。この知見を利用すれば、簡便な方法により作物の熱ストレス耐性を向上させる有効な技術の開発が可能になると考えられる。
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