研究課題/領域番号 |
17K15463
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
薬理系薬学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
村田 雄介 福岡大学, 薬学部, 助教 (90461508)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 過眠 / 睡眠不足 / 断眠処置 / 海馬 / BDNF / グルタミン酸受容体 / neurotensin / 経時的変化 / 内側前頭前皮質 / セロトニン / 医療・福祉 / 脳・神経 / マイクロアレイ / 薬理学 / 睡眠 |
研究成果の概要 |
本研究では、睡眠不足後に誘発される「過眠」を生体の回復システムとみなし、そのシステムの仲介因子の解明を目指した。具体的には断眠処置後、自由に睡眠を取らせたラット海馬の分子生理学的変化を評価した。 その結果、「過眠」により1)神経栄養作用のあるBdnf遺伝子 splicing variants量上昇、2)神経機能を調節するグルタミン酸受容体 mRNA量がサブタイプごとに増加または減少、3) neurotensin mRNA量が早期に減少したが、その後基準値を上回るほどに増加、という変化が得られた。本研究知見から「過眠」による中枢回復システムには複数の生体因子が複雑に関与する可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、睡眠不足後に誘発される「過眠」は、確かに脳内に蓄積した損傷を回復させるという一般的理解について、分子生理学的メカニズムの観点から支持するものである。また「過眠」による回復と海馬neurotensinの間の関連が初めて明らかとなった。 これらの成果より、「睡眠不足によるダメージの回復には、やはり十分な睡眠が必要」という厳然たる事実が保証された。またneurotensinを標的とした「過眠模倣物質」、言い換えると「実際に睡眠時間の増加がなくても睡眠を十分に取ったかのような回復反応を促す物質」の創出が期待される。
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