研究課題
若手研究(B)
心筋ミトコンドリアの品質異常(過剰分裂)が心臓の恒常性破綻の引き金になっていることを見出した。分裂促進Gタンパク質Drp1の活性化因子としてFilamin Aを同定し、病態時特異的に形成されるDrp1-Filamin-Actin複合体がミトコンドリア異常分裂を介して心機能を低下させることを明らかにした。さらに活性イオウによるDrp1のポリイオウ化修飾がFilaminとの相互作用を負に制御すること、環境親電子物質によりDrp1の脱イオウ化が促進されることでミトコンドリアの異常分裂さらには心不全のリスク上昇につながることが明らかとなった。
心疾患による死亡者数は年間約20万に上がり、これはがんに次ぐ死因となっている。心不全患者の5年生存率は未だ50%であり、新しいコンセプトに基づいた薬の開発が必要とされている。我々は心筋ミトコンドリアの品質異常が心機能低下の引き金になることを見出し、ミトコンドリアの品質を改善する既承認薬シルニジピンを同定した。さらに、シルニジピンは環境化学物質曝露による心疾患リスク上昇に対しても改善効果を示すことをマウス動物実験モデルから明らかにした。これらの成果はミトコンドリア機能保護という新しいコンセプトに基づいた心不全治療薬開発に貢献すると期待される。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 10件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 12件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
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