研究課題
若手研究(B)
本研究課題では、強力な抗白血病活性を有するハリントニン(HT)の迅速かつ高感度な免疫化学的蛍光センサーの開発を目的としている。先ず、VH-GFP10遺伝子とGFP11-VL遺伝子及びGFP1-9遺伝子を構築し、HTの存在下における蛍光検出を検討した。しかし、四元複合体の形成に伴う蛍光が認められなかった。そこで、GFP断片間の距離を近づけるようVH-GFP10-GFP11-VL(scFvGs)を構築し、その機能解析を行った。その結果、scFvGsがHTを特異的に認識することを見出したものの蛍光検出は僅かであった。これらの結果より、系の確立に向け更なる条件検討を要することが判明した。
本研究における対象化合物は低分子化合物であることから、二つの波及効果が考えられる。一つは、違法薬物問題への貢献である。近年、社会問題となっている違法薬物は、その大部分が低分子化合物である。そのため、対象化合物HTを危険ドラッグや麻薬関連化合物へ置き換える事で社会問題となっている違法薬物の簡易迅速検出法へと応用できる。もう一つは、医薬品シーズ探索研究への貢献である。本システムの抗体遺伝子を他の受容体や疾病関連タンパク質に置き換えることで、無限の可能性を有する薬用資源から網羅的なスクリーニングが行なえ医薬品シーズの探索が可能となる。本研究は、違法薬物問題や希少疾病医薬品開発問題の解決にも繋がる。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 7件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
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