研究課題/領域番号 |
17K15545
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小笠原 裕太 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (00773524)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | オートファジー / lipid droplet / phosphatidylcholine / 脂質代謝 / Kennedy pathway / CCTβ3 / ホスファチジルコリン / CCTbeta3 / 膜供給機構 |
研究成果の概要 |
真核生物が持つ主要な分解系オートファジーは細胞内の恒常性維持において重要である。その機構を理解するためには膜脂質供給機構の解明が必要であるが現在に至るまで未知である。本研究ではマウス繊維芽細胞を用いた解析で、ホスファチジルコリン(PC)合成に関与するCCTβ3が、1)長時間飢餓条件下で脂肪滴へとリクルートされる、2) CCTβ3陽性脂肪滴近傍からオートファゴソームが形成される、3)CCTβ3の発現量抑制により長時間飢餓時のオートファジー活性が減少する、などの現象を見出した。これら結果は、長時間飢餓条件下においてPCの供給がオートファジー活性の維持おいて需要であることを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた、「長時間にわたって継続するオートファジーを維持する機構」はこれまでの研究では見過ごされてきた現象である。これまでは短時間と長時間の飢餓で同じ機構を介してオートファゴソームが形成されていると考えられてきたが、本研究により飢餓の長さによってその制御機構が異なることが明らかとなった。癌細胞の増殖において長期的なオートファジー活性の維持が重要なことは既に報告されている。そのため、CCTβ3の活性を阻害することによって長時間飢餓条件のオートファジーを抑制できることが明らかになれば、新たな抗癌剤開発への応用が可能になると考えられ、医学的な観点からも重要な知見の獲得が期待できる。
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