研究課題/領域番号 |
17K15569
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
向井 智美 愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学分野, 研究員 (10706146)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 悪性中皮腫 / 共培養 / 癌 / シグナル伝達 |
研究成果の概要 |
悪性中皮腫は主に胸膜に発症する高悪性度の腫瘍であり、壁側・臓側胸膜表面にびまん性に広がる特徴がある。腫瘍が胸膜全体に進展するメカニズムを解明するため、正常中皮細胞と、悪性中皮腫細胞の共培養を行った。様々な共培養システムを検討した結果、正常中皮細胞が優位な発がん初期段階では、正常中皮細胞が悪性中皮腫細胞の増殖促進に寄与し、その後腫瘍細胞が優位になると、正常細胞が排除されて腫瘍細胞に置き換わることが示唆された。また、悪性中皮腫細胞から放出される液性因子によって、正常中皮細胞の細胞間接着能が低下することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、がん細胞と間質細胞との関連が注目されている。特に中皮細胞とがん細胞の関連ついては、卵巣癌や前立腺癌においてその腫瘍進展を促進させるという報告があるものの、周囲を中皮細胞に取り囲まれる悪性中皮腫についての知見は全くない。しかし本研究によって、悪性中皮腫細胞においても正常中皮細胞が腫瘍進展を促進させることが示唆された。今後さらなる解析により、その原因物質が同定されたあかつきには、それを標的とした新たな治療戦略を構築できる可能性が期待できる。
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