研究課題/領域番号 |
17K15624
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
村尾 直哉 宮崎大学, 医学部, 助教 (20773534)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 小胞体 / 精神疾患 / グリア細胞 / 神経科学 / 小胞体ストレス / 脳内炎症 |
研究成果の概要 |
近年、精神疾患に共通して観察される脳内慢性炎症が、多様化した精神疾患に共通した病態である可能性が考えられている。本研究では、小胞体膜タンパク質 Derlin-1の中枢神経特異的な欠損マウスにおける小胞体ストレスの遷延化が、脳内炎症を引き起こすと同時に複合的な精神疾患様行動を示すことに着目し、その詳細な解析を行った。その結果、脳内炎症は小胞体の恒常性の改善によりある程度沈静化できることがわかった。同時に本マウスでは、ニューロンの樹状突起の形成障害が観察された。さらに、このような精神疾患を引き起こし得る脳内の異常には、コレステロール合成の異常や細胞増殖因子の発現変化等も関与することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、複数の精神疾患様行動を示すマウスを用いて、脳内炎症の惹起を介した種々の精神疾患に共通したメカニズムの解明を目指した。現代社会の複雑な環境を考慮すれば、個々の精神疾患の発症原因を特定することは非常に困難である。しかしながら本研究では、精神疾患の分子病態を俯瞰的に捉え、その共通性に着目し解析を行った結果、小胞体品質管理の重要性や新たな重要な因子の発見につながってきている。今後のさらなる詳細な解析により、精神疾患を引き起こし得る共通の分子機構が明らかとなれば、精神疾患の種類や病態の程度に囚われない予防や治療・病態改善法の開発にもアプローチできるのではないかと考える。
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