研究課題
若手研究(B)
本研究では,病態の異なる二つの進行型多発性硬化症(MS)動物モデルを多変量解析し,末梢バイオマーカーの探索を行った。中枢神経系(CNS)トランスクリプトームデータの主成分分析(PCA)では,プロラクチン減少が病態の進行に関与することを示唆した。CNSと脾臓トランスクリプトームデータのパターンマッチングでは,両モデルに共通して増減する333個のバイオマーカー候補を同定した。それらの中には,MS患者の末梢血中でも同様に増加(PER1/MIR6883とFKBP5)・減少(SLC16A1/MCT1)している遺伝子が含まれており,これらの遺伝子が病態に関与するバイオマーカーとなり得ることを示した。
多発性硬化症(MS)は病勢の違いにより進行型と再発寛解型に分類され,再発寛解型の多くの症例はのちに進行型へと移行する。再発寛解型MSの治療や病態の解明は進んでいるが,進行型MSの病態は不明な点が多く,治療薬の開発も遅れている。二つの病態の異なる進行型MS動物モデルを比較検討した研究は本研究が世界で初めてであり,両モデルの病勢進行に関与しているプロラクチンは治療薬の標的となり得ることを示唆した。また,二つの進行型MS動物モデルおよびヒト進行型MS患者において共通して増減する末梢バイオマーカー候補因子の探索を行った研究も極めて少なく,今後のMS臨床研究に新しい光明を投じる可能性を示唆した。
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