研究課題/領域番号 |
17K15655
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
辻川 華子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30528170)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / サブクラス分類 / 腫瘍悪性度 / 人体病理学 |
研究成果の概要 |
肝細胞癌におけるERK核内発現強度・割合に基づき3群に分類したところ、ERK活性化肝細胞癌は血清α フェトプロテイン高値で低分化であり、脈管侵襲が多く、Cytokeratin19や SALL4等の胆管上皮/幹細胞マーカー, 細胞増殖や癌の悪性化に関連するとされるc-MET, 細胞増殖を反映するKi-67の高発現を呈し、高悪性度とされる胆管上皮/幹細胞マーカー陽性群に多く見られた。 また肝細胞癌の腫瘍内コラーゲンおよびエラスチン線維の定量解析を行い、臨床病理放射線学的に検討したところ、腫瘍内線維に富む肝細胞癌は、胆管上皮/幹細胞マーカー陽性群に多く見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果からは、ERK活性化が肝細胞癌の予後因子の一つであることが判明し、線維成分に富む肝細胞癌は、臨床病理放射線学的に特徴的な一群として認識されることが分かった。いずれも高悪性度とされる胆管上皮/幹細胞マーカー陽性群に関連しており、すぐに日常診断時に用いるのは難しいものの、肝細胞癌悪性度に関連する重要な因子である。さらに、肝細胞癌治療薬として用いられるsorafenib によりERK リン酸化および細胞増殖能が抑制されることも報告しており、将来的に治療選択に繋がる可能性が考えられた。 肝細胞癌のサブクラス分類は腫瘍悪性度を推し量ることができ、患者の治療選択や予後予測に重要であると考えられた。
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