研究課題
若手研究(B)
我々は、頭蓋内胚細胞腫(iGCT)の病態解明を目指して、染色体腕コピー数異常に着目した、分子生物学的、臨床病理学的解析を行った。iGCT83例と正常検体6例のInifinium Human Methylation 450K BeadChipによる解析では、12番染色体短腕のgain (12p gain) は37.3%の症例にみられた。臨床病理学的解析から、12p gainはiGCT患者の予後を予測しうる指標であった。さらに、FISH法による解析で、12p gainは、倍数性の異常とともに同一腫瘍内の異なる組織型で共通しており、これらが腫瘍発生の比較的早期に発生する異常であることが示唆された。
頭蓋内胚細胞腫(iGCT)は、悪性度の異なる6つの組織型から構成され、複数の組織型が同一腫瘍内に混在することがある。本研究では、12番染色体短腕のgain (12p gain)は予後不良な組織型で高頻度にみられることが明らかとなり、iGCT患者の予後予測マーカーとして臨床応用可能と考えられる。また、12p gainに加え倍数性(染色体セットの数)の異常は、同一腫瘍内であれば組織型が異なっても共通することが明らかとなり、これらの異常がiGCTの腫瘍発生の比較的早期に発生するイベントであることが示唆され、病態解明の一助となる。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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