研究課題/領域番号 |
17K15661
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
顧 兆悌 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (40451520)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | DNAメチル化 / 膵癌 / IRX4 / 腫瘍 / 癌 / ゲノム / 遺伝子 / 発現制御 / アポトーシス / 病理学 |
研究成果の概要 |
膵癌において高頻度のプロモーター高度メチル化を示すIRX4遺伝子の役割を明らかにするため、膵癌細胞株PK-1、PK-9を用いてテトラサイクリン投与でIRX4発現誘導できる細胞株を作製した。IRX4の発現を誘導すると細胞増殖が抑制され、PK-1ではアポトーシスが引き起こされた。IRX4の下流遺伝子を探索した結果、IRX4発現に伴いCRYAB、CD69、IL32といった癌抑制活性を有する癌関連遺伝子の発現が上昇することが明らかとなった。これらの結果は、IRX4のDNAメチル化を介した転写抑制は、下流の癌抑制遺伝子の発現を抑制し、膵腫瘍形成に貢献する可能性を示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エピジェネティックな異常が腫瘍形成に重要な役割を果たすにも関わらず、癌細胞中のDNAメチル化異常は数多く、その中から真のドライバー異常を見出すのは難しい。膵癌形成に重要な役割を果たすDNAメチル化異常を見出すため、DNAメチル化阻害剤、MeTA法の2つの方法で共通にIRX4が同定された。IRX4の遺伝子座5p15.33は、これまで報告されてきた膵癌感受性遺伝子座に一致する。本研究によりIRX4の膵癌における高度メチル化、低発現、IRX4発現の膵癌細胞に与える影響、その原因となるIRX4下流遺伝子群が明らかになった。これらの知見は、膵癌の診断、治療戦略を考える上で、貴重な情報となる可能性が高い。
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