研究課題
若手研究(B)
以前の疫学調査の結果、アレルギー疾患罹患者かつ治療歴の長い患者は膵癌の発生は低いという報告がなされた。この報告から抗アレルギー薬には膵癌発生予防効果があるのではないかと考えハムスター膵発癌モデルを用いて実験を行った所、4種類の抗アレルギー薬からロイコトリエン受容体拮抗薬のみが有意な膵発癌予防効果が有ることが分かった。その機序として、膵星細胞内から分泌される物質を修飾する事により、Smad3経路を介して増殖抑制効果を来している事が推測された。
膵癌は治療抵抗性で、5年生存率の最も悪い固形癌の一つであるため、膵癌になる前予防するという化学予防という考え方も重要になる。さらに、近年ドラッグリポジショニングという考え方は安全性の担保された薬剤を用いるということで臨床応用につながる可能性は高い。その中で疫学調査を元に、ロイコトリエン受容体拮抗薬が膵発癌予防剤として有効であるとin vivoで証明出来たことは、同薬を膵発癌に対するドラッグリポジショニング薬として用いる臨床基盤として示す事が出来たことは意義深く、社会に対する還元力も高い。
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すべて 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 3件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 11件) 学会発表 (11件)
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