研究課題
若手研究(B)
本研究は、ヒトの腫瘍の中でも最も悪性度が高い脳腫瘍である膠芽腫 (グリオブラストーマ) において、EGFRおよびその下流に存在するmTORC2信号が、悪性腫瘍の発生や進展に重要と考えられる鉄の代謝を制御していることを明らかにした。mTORC2による鉄代謝の制御は、ヒストンアセチル化で代表されるエピジェネティクス変化を介した機構であることが分かった。mTORC2による鉄代謝制御機構に介入することで、腫瘍細胞の鉄の利用や細胞増殖を有意に抑制することが可能であった。いまだ有効な治療法がない膠芽腫において、mTORC2や鉄代謝を標的とする新規治療戦略が有望な治療戦略の一つとなり得る可能性が示された。
本研究は、悪性度が高く有効な治療法がない脳腫瘍である膠芽腫において、腫瘍細胞内の鉄代謝の制御機構に着目することで、新しい治療戦略の可能性を探索する独創的な試みである。細胞を使った基礎的な実験に加えて、実際のヒト脳腫瘍標本を用いる病理組織学的解析を行うことで、悪性脳腫瘍の病態に関わる鉄代謝という基礎的な分子メカニズムが、本研究により診断・治療を含む臨床応用まで視野に入れた形で解明されることが期待される。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
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