研究課題
若手研究(B)
本研究は、T細胞受容体(TCR)シグナル分子について、制御性T細胞における特異的な分子制御の解明を目的とした。制御性T細胞を含む各T細胞群について、生理的状態やTCR刺激後など、細胞動態や免疫学的機能が異なる条件下において、TCRシグナル分子の遺伝子発現、タンパク発現レベルや分子修飾を比較し、各細胞群の弁別的なシグナル分子制御を解析した。特に、制御性T細胞は通常T細胞に比して、一部のTCRシグナル分子の機能を恒常的に低く維持することを明らかにし、制御性T細胞の機能と増殖の維持に重要であると考えられた。
制御性T細胞は異常・過剰な免疫応答を抑制することから、自己免疫病をはじめとする多様な免疫関連疾患の予防に必須な細胞である。特に、制御性T細胞はTCR刺激に対して特異的な反応を示すことから、その分子的基盤の解明は制御性T細胞による免疫応答制御や免疫疾患予防において重要である。さらに、TCRシグナルに関わる遺伝子の多型は、自己免疫疾患に最も関連性が高いことから、制御性T細胞におけるTCRシグナル制御の理解は、疾患治療法の開発など社会的にも重要だと考えられる。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
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