研究課題/領域番号 |
17K15782
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
百瀬 裕一 杏林大学, 医学部, 助教 (60795798)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 肺動脈性肺高血圧症 / 全エクソーム解析 / 発症原因遺伝子 / 発症感受性遺伝子 / whole exome解析 / サンプルバンク / 循環器病学 |
研究成果の概要 |
我々は日本人PAH患者140名と患者の健常家族を含めた全エキソームデータを精査し、患者4名と未発症家族1名に新規の肺動脈性肺高血圧症(PAH)の原因遺伝子変異としてSOX17変異を見出した。これらの患者は肺血管拡張薬の多剤併用療法への治療反応性が乏しく、剖検例ではHeath-Edwards 5度の重症PAHを認めた。また先天性心疾患の合併も示唆された。さらに、RNF213遺伝子の多型変異R4910Kが、特発性PAH患者の10%の高頻度で見出される事、これらの患者は治療不応性で予後不良な集団に一致することを確認した。これらの成果は、日本人PAH患者における個別化医療へ繋がる成果として評価される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
難病循環器疾患PAHにおいて、ゲノム情報と臨床情報とを丁寧に解析することによって、治療反応性や予後と相関する重要な知見を得ることが出来た。欧米を中心として、患者サンプルを収集したドライビッグデータは既に存在しており、数々のエビデンスも報告されている。しかしながら、海外からのエビデンスをそのまま日本人患者へ応用することはリスクを伴う。異質性(heterogeneity)が高い海外の解析結果に比べ、統一プロトコールで収集した均質性の高い(homogeneous)日本人患者の臨床検体から得られた本研究での知見は、日本人患者の病態に最適化した個別精密化医療の実現にとって非常に重要な基盤になると考える。
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